県営住宅の名義人の承継条件で,「障害者手帳」は2級以上が必要
県営住宅や市営住宅などの公営住宅で,部屋の名義を引き継ぐ場合がある。
そういった名義の承継の条件は,かなり厳しい。
もとの名義人の配偶者だったり,高齢者だったり,障がい者である必要がある。
うつ病の場合はどうだろうか?
公営住宅の名義を承継できる「障がい者」の定義とは?
障がい者の基準として,「一定基準以上の障害者手帳を持っていること」というのがある。
県営住宅の名義人の死亡時は,配偶者・高齢者・障がい者でないと承継できず,猶予の後で退去
http://seikatsu-kurashi.hatenablog.jp/entry/20140807/p1
- 一定基準以上の障害手帳をお持ちの方(埼玉県の場合)
この「一定基準」とは,何のことだろうか?
精神障害だと,2級以上の手帳が必要
注意点だが,この「一定以上」とは,精神障害の場合,2級以上のことをさす。
精神障害の1級または2級の手帳をすでに持っている場合は,
障がい者として認定されるので,住宅の名義を承継できる。ということ。
事前に手帳を取得済みでないとダメ!!
名義の承継をすべき時点で,まだ手帳を持ってない,という場合はNGである。
たとえばもとの名義人が死亡した時点で,まだ障害者手帳が交付されていないとか。
手帳以外のものは,代わりにはなってくれない
また,自立支援医療の精神科通院を受給していても,だめである。
それだと,持っている障害の程度がわからず,どの程度の精神面での障害なのか判断できないため。
自立支援医療は,障害者手帳と同じ,同一の医師の診断書を使って申請できる。
だからといって,自立支援医療を受給している者が
障害者手帳を持っているのとおなじくらいの障がい者とみなされるかというと,
そうはいかないのだ。
あくまで,名義の承継が必要になる時点で,「2級以上の手帳」を持っていることが必要だ。
せちがらいですね。
精神障害の2級って,どれぐらいの重さの疾患で交付できるのか?
では2級はどの程度の基準で発行される手帳なのかというと,
単なるうつ病だけではだめ。3級すら発行されない。
2級が発行される要件として,
うつ病以外にも別の精神的な症状を併発しており,
入院などして,その精神的な疾患が固定されてしまっているような場合だ。
しかも,
- 自分ひとりでは,バランスのとれた食事がとれなかったり,
- 手続とかもできず,計画的な買い物ができず,身だしなみを清潔にすることもできず,
- 外出時に想定外の体調不良が起きたときに一人では対処できない。
そういった各面で援助が必要。という場合,2級になる。
精神障害者保健福祉手帳:2級の症状について | 高次脳機能障害と脳の関係を徹底的に洗い出します。
http://koujinou-kinou.info/diagnosis/...
- 1.調和のとれた適切な食事摂取は援助なしにはできない。
- 2.洗面、入浴、更衣、清潔などの身辺の清潔保持は援助なしにはできない。
- 3.金銭管理や計画的で適切な買い物は援助なしにはできない。
- その他
精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準(2級)
http://www.crayon-box.jp/seido/techou...
- 判定基準(2級)
精神障害者手帳2級とはどのレベルのなのでしょうか - メンタルヘルス - 教えて!goo
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8113112.html
- 重い/軽いというより、統合失調症などで2回入院したりするとたいてい障害年金が認められるくらいで、手帳も2級くらいになるかもしれません。 「再発で精神障害が固定化された」みたいな見方
精神障害者2級ってそんなにひどい症状なのでしょうか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/...
- うつ病の他に別の精神疾病を併発していたり、統合失調症ならば、比較的簡単に取得できます。上記の疾病を抱えていて無職の人は、障害者2級を取得して、障害者年金を受給しています。
- 一方で、多くのうつ病のみの患者(精神疾病患者の大多数)などの場合、3級でも取得は難しい
結論
公営住宅の名義継承を,精神疾患を理由に権利取得しようとすると,ものすごくハードルが高い。
あきらめて引っ越そう。
生活保護では引っ越し料金が負担されるから。。。
関連記事:
生活保護の受給者が,引越しや部屋探しで,大家・市役所に断られる原因と対策方法
http://seikatsu-kurashi.hatenablog.jp/entry/20140730/p1
自立支援医療(精神通院医療)制度の概要と,メリット・デメリット。医療費が安くなる利点のみで,不利な点なし
http://seikatsu-kurashi.hatenablog.jp/entry/20140910/p1
生活保護の医療費の扶助には,交通費も原則的に含まれるが,支給されないケースも多い
http://seikatsu-kurashi.hatenablog.jp/entry/20140208/p1
高額な医療費や入院費が払えない場合,高すぎる分は高額医療費制度を使うか,分割払いなどを相談
http://seikatsu-kurashi.hatenablog.jp/entry/20140424/p2